現在、家はレモント(工事)中なので家族は別荘住まい。
夜にレモントが終わると、僕も皆に食料を持って別荘に行く。
別荘に着くと、門の前に拳ぐらいのカエルがまるで僕を待っていたかの様にこちらを見て座っていた。
そこに座っているとタイヤで踏んでしまうので、
僕は車から降り、カエルに言う。
「どけっ!!」
カエルはどかない。
「こんにゃろっ」
足でちょこんと蹴っ飛ばす。
少しひるんだ様だが反応鈍し。
もうちょっと強めにお尻を押すと、、、
何か様子が変だ。
後ろ両足がだら~んと伸び、片方の前足はぐにょ~んとお腹の下へ、
そして、舌がべろ~~んと出て来た。
その後まるで死に絶えたかの様に動かない。
「うわっ、このカエルダメだ。」
僕は気持ちが悪くなり
車に乗ってなんとか轢かないように門の中に入る。
「あれを子供が見たら気持ち悪がるだろうな~。
どかさないとな~。」
と思ったが、僕自身ためらい、
翌朝に意を決してどかす事にした。
翌朝、門の前でくたばっているはずのカエルを探したがどこにも見当たらない。
処理する人が居るはずも無い所である。
あれはカエルの演技だったのだ。
まさしく迫真の演技だったのだ。
生死を懸けた演技!見事にだまされた。
あっぱれ!!!
見習うべき演技を見させてもらった。
カエルよ、ありがとう!!
岩田守弘