ドニェプロペトロフスク到着。
モスクワからたったの1時間半。
時差はマイナス1時間。
町が小さいのか、
空港からホテルも近いし、
ホテルから劇場も近い。
昼食に誘われたけれど、休む事にした。
ホテルを出発するまで5時間ある。
お風呂に入って、寝て、ストレッチをして、と時間割りを組む。
最近の移動と時差と本番で頭がぼーっとしているので
とにかく眠りたかった。
しっかり寝たのと時間割りが良かったのか準備万端。
さっぱりとした気持ちでホテルを出発。
劇場入りをし、リハーサルをして、本番に備える。
ここの劇場はさすがにちゃんとしたオペラ劇場。
舞台も広い!
この日は、久しぶりに自分の踊りが出来た気がした。
しばらくこんなに良い気持ちで踊れた記憶がないぐらい。
あ~、嬉しいな~。
この日の出演者は、ボリショイからイルザ・リエパさんと僕、ドイツから1カップル、キエフから3カップル、そして地元のダンサー。
ドイツから来たアメリカ人ダンサーと仲良しになれたのも嬉しかった。
彼は現在44才。以前は
ニューヨークシティーバレエで働いていて、今はデュッセルドルフでフリーのダンサーとして活動しているそうだ。
それにしても僕にとって今回の最大に価値のある出来事は
踊っている時のイルザさんの目を見る事が出来た事。
それは僕がバレエに憧れて目指していたもの。
みんながバレエとはそういうものだと思って評価をしていたもの。
芸術性。
美しい体、磨き上げられた技術は、
心を表現する為の手段としてあり、
決して目的としていない事。
だから、存在感とか人間味とか個性とか温かさとか優しさを感じるんだと思う。
時代はどんどん変わって来てそれと共に価値観も変わって来る。
でも、だからこそ芸術では心を大切にしなければならない。
もちろん何事でも共通するけど、
特に特に芸術はその事を忘れてはいけない。
芸術ではないバレエは嫌だ。
それはとっても根本的でそして簡単な事のはずだと思うんです。
目なんですよね~、目!
イルザさん、素敵!!
ドニェプロペトロフスクの空港
アメリカ人ダンサージョン
イルザさん
ドニェプロペトロフスク劇場 客席
夜明け。
空港へ向かう道。