連休3日目。
昼、買い物をしに店へ歩いていくと
警察の車が僕を止めた。
車の中には銃を持っている警官が3人、
僕を見ている。
ドアが開き一人が無言で、書類を提示するよう指示する。
彼の態度には「おい、こら東洋人の鼻垂れ小僧、さっさとパスポートを見せろ。」
という圧力がある。
僕も無言でパスポートを提示する。
警官はパスポートに目を通し、始めて口をきく。
「ここで、何をしているんだ?」
「住んでいる。」
と僕は返答をする。
「この路上に住んでいるのか?」
住んでるわけないでしょう!
と思ったが素直に
「そこの家に住んでいて、
店に行く為に、ここの道を歩いているのです。」
と答える。
それで納得したのか警察の車は去って行った。
警官の態度には嫌な気持ちにさせられたけど、
昔だったらこれで済んでなかったな。
少しはましになったんだな。
と思った。
家に帰り妻にこの事を告げると
「ほらね、だからいつもちゃんとした恰好をしてなさいって言ってるでしょ!」
と言われた。
今日は休日最後の日だ、気を取り直して居合道に行く事にした。
道場に行き、久しぶりに先生に見てもらった。
やっぱり先生は凄い。
軽やかで力強くなめらかで余分な動きが無い。
かっこいいな~。
大きな体、凄い筋肉、ハゲ。
見た目は恐ろしく、こんな人と道であったら僕だったら避けて通る。
武勇伝(自分にしてみたら大した事無いのかもしれないけど)を聞くと
恐くて、街で人の顔なんかまともに見られなくなっちゃう。
(だって、こんな人が実際にいるんですからね)
先生はそんな外見とはまったく逆で、礼儀正しくて優しくて情に熱い。
稽古は真剣だ!
先生に注意してもらうと、どんどん変わっていく自分を感じる。
終わった後は、足ががくがくしていたけど心は落ちついている。
先生、ありがとうございました。
居合の後は、合気道に行った。
合気道も楽しい。
でも、疲れていたのかな、だらだらと稽古をしてしまった。
ま、体調だって気分だっていろいろあるんだし、
なんて、けしからない開き直りをしてしまった。
練習が終わり帰路につく。
連休が終ったのに、道が凄く空いている。
途中ガソリンスタンドによった。
車から降りると、ガソリンスタンドのお兄さんが僕に近づいてきた。
「あなたの事知ってますよ!」
ん?
「娘さんが2人いるでしょう。」
「うん、いるよ。」
「テレビで見ましたよ。」
お!
初めてだ!
初めて知らない人に声をかけられた!
もしかして僕って有名人!?
ウッシッシ
これって凄い確率なんだろうな。
たまたまテレビを見ていた人が、
よくも僕の事を分かってくれたもんだ。
ウッシッシ
ガソリンスタンドのお兄さんは別れ際に
「あなたとあなたの家族の健康と幸運を祈ってます。」
なんて言ってくれた。
ああ、昼間の警察の時とは大違いだ。
でも、警察がいてくれるおかげで、
僕たちは安心して生活を出来るんですものね。
感謝感謝。
さて、連休終了。
明日からまた仕事。
夜、アキモフ先生から電話があり
明日の稽古を頼まれた。
どんな、稽古にしようかな?