11月26日パリでの最終日。
翌日は朝早くの飛行機でモスクワへ出発。
僕たちのパリ旅行は楽しかった,というか忙しかった。
なるべく沢山見たかったのであっちに行ったり、こっちに行ったり。
まあ、それでも満足。
皆で,いろいろ思い出の話をしながらパリでの最後の食事をする。
長女マリヤはちょっと寂しそう。
「しょうがないね。」
部屋に帰ってきて、タクシーを予約する。
「えーと、飛行機の出発は9時だから7時に飛行場に着くとして、、
ここから飛行場まで30分ぐらいで着くとして、、
でも雪が降ってゆっくり走るとして、、
それで、万が一渋滞なんかがあったりしたときを想定して、
うん、6時に予約をお願いします。」
そう、私は石橋をたたいて渡るような性格なのだ。
と思っていたが、この時わたしは飛行機の切符を確認せずに
出発の時間を9時だと思い込んでいたのです。
翌朝5時30分起床。
荷物は前日にまとめておいたので余裕。
皆でゆっくり紅茶なんか飲んで、
部屋をしっかり片付けて
「立つ鳥あとを濁さず。」
なんて言ってみる。
妻が「6時ですよ~。」
と言う。
皆で「は~い。」
なんて答える。
6時5分 タクシーに乗り込み、行き先を告げる。
道はとても空いていてすいすい走る。
雪も降っていないので道路の状況は最高だ
「このままだと、早く着きすぎちゃうな~。
え~と、9時何分だったっけかな?
なんか、45分て気がするな~。
うわ~、全然早く着いちゃう、う、う、う、、、、ん?
、、、ん?
あれ?
そういえば、モスクワを出発したのが9時だった気がするぞ。
ということは、
もしかして、、時間が、、ち、が、う、かも、
、、、、、、。」
僕は顔から血の気が引いていくのを実感しながら、
恐る恐る飛行機の切符を鞄から出す。
7時15分発。
、、、、、、。
、、、、、、。
、、、、、、、!!
僕は自分の目が信じられなかった。
しかし、切符には確かに7時15分発と書いてある。
時計は6時30分を指している。
僕の前方、側方の車の窓が
わが身から出た蒸気で一気に曇った。
北斗の拳のようだ!
僕の顔はまさにケンシロウと化していた。
この時、頭の中には二つの恐れている事があった。
1・その日にモスクワからクラスノヤルスクに飛行機で行かなくてはならない。
その飛行機に乗り遅れると次の日の本番に間に合わない。
これは、超超超大変なのです。
2・妻のパニック。
これに、説明は不要ですね。
僕は言葉を選びながら落ち着きを装い
ゆっくり妻に言う。
「なんかね、7時15分て書いてあるよ。」
妻の顔がにっこり微笑んだまま凍りついた。
子供たちは目をパチクリしている。
「よし、大急ぎで走るからね。みんな、用意してね。」
僕は妻に考える隙を作らせないよう、みんなを励ます。
そして、さらに妻に話す間を与えずタクシーの運転手さんに
「7時15分出発です。」
と切符を見せる。
運転手さんは「お~!」
と言って感心している。
5分後空港に到着。
出発まで40分。
空港を家族4人で走る。
スーツケースを持って全力で走る。
運良くチェックインカウンターがすぐ見つかり
すんなりチェックイン!
あっという間に飛行機に乗れてしまった。
パリでの最後の思い出。
ありがとう、パリ。
佐藤さ~ん、今度は一緒に行きましょう!