あつ~~い、あつい、あつい!
夏だ~~~!
車の温度計は37度を示した。
暑いの大好き。
別荘に着くと、水着に着替えて川に直行。
もちろんルアー1号と共に。
川に着くと、なんとバレエの友達がいた。
こんな所で会うなんてびっくり。
皆はすぐに泳ぎ出す。
僕は釣りだ。
皆が見ている。
第一投目。
緊張するぜ!
シュパッ!!!
凄い勢いで竿を振る。
でも、変だ。
ルアーはどこだ?
と思ったらルアーは天高く舞い上がり、
約5メートル前にポチャッと落ちた。
ギャハハハッ!!
皆が大笑いした。
ふんっ。
負けるもんか。
僕は腰まで水につかり、ルアーを再度投げる。
今度はびゅーんと遠くまで飛んでいく。
ふふふ、見たか。
横目で皆を見たが、誰も見てくれた人はいなかった。
いいのだ。
釣り人とは孤独なのだ。
水につかった僕の足を、
小さな魚たちがちょこちょこつつく。
始めはびっくりしたが、
だんだん気持ち良くなってくる。
小さな魚と僕は仲良し。
つつけ、つつけ。
妻が「どうせ釣れないから帰ろう。」と言った。
「あのね、釣りというのは、そんなに早く諦めるものではないのだよ。」
僕の言葉は妻には全然効き目が無く、さっさと引き上げる事になった。
今日も負けだ。
0勝2敗。
「泣くな、ルアー一号、次回があるよ。」
川から帰ると、草刈開始。
恐るべし雑草の生命力。
前回刈らなかった場所は手のつけようが無いほど伸びている。
刈ったところでも30センチ位は伸びている。
僕は30センチの方を再び刈る事にした。
気持ちよく雑草を刈って行くと、
赤い物が目に付く。
イチゴだ。
10年以上前に植えたイチゴがまた実をつけていた。
イチゴは雑草に劣らないほどの生命力を秘めている。
一つとって食べてみる。
「むふふ、美味しい。」
小さなイチゴはちょっと甘くて良い香りがした。