最終日。
飛行機の時間が来るまでライオンパークに連れて行ってくれる。
うししし、うししし。
はっきり言って、今回来たのはこの為だ。
町からわずか50キロ離れた所にそれはあるらしい。
さすがはアフリカ。
自然の王国なのだ。
僕たちは広い広い壮大な草原を想像し、
胸をわくわくさせ目的地に向かった。
車で一時間位走ると周りに建物が見えなくなり、
動物が居そうな雰囲気がしてきた。
僕は無言でキリンを探す。
キリンが見つからないまま5分ぐらい進むと
ライオンパークの入り口に着いた。
「う~ん。」
まるで動物園だ。
中に入ると鉄の網で囲んであるバスがおいてある。
まるでサファリパークだ。
予感は的中。
ここは本物のサファリパークだったのだ。
そう日本にあるサファリパークと同じものだ。
というかもっともっと規模を小さくしたものだ。
ライオンが主で3家族位住んでいた。
その他に僕らが見たのはキリン1頭、シマウマ2頭、ダチョウ数羽、ハイエナ2頭(柵の中)、チーター2頭(柵の中)、
マングース1頭(柵の中)。
そりゃそうだな。
こんなに近くに野生の動物が居るわけがない。
モスクワに帰って来てインターネットで調べたら、
最低1時間は飛行機で行かないと、
僕らが想像する野生の動物はいない。
しかしこんなサファリパークですら、
もうすぐ無くなって住宅地になるらしい。
アフリカでさえどんどん動物の住む所は狭くなってるんだな。
僕はこの日もずっと寒気がしていた。
帰りの飛行機では映画を3本見た。
モスクワに着いてからパスポート審査、荷物の受け取りなど、
昔とは比べものにならないほどスムーズに済み
空港からもモスクワ市内までのエクスプレスがあってとっても便利だ。
家に着くと家族が待っていた。
自分の家って良いな。
アフリカは楽しかったが、
こんなに家が恋しくなった海外公演は初めてかもしれなかった。
日焼けをした所の皮がむけて大変。
娘が一生懸命に剥がす。
かつお節みたいだな。
岩田守弘