モスクワから約80キロ、
今月26日、クリンという町にあるチャイコフスキー博物館でコンサートが行われた。
ここが、チャイコフスキーの最後に住んだ家だそうで、今は博物館になっており
音楽会などのできる小さなホールもある。
130周年というちょっと半端な年だけど、
こういう記念コンサートに携わる事が出来るのは嬉しい事。
こんなに有名な曲なのにおそらく唯一の記念コンサートらしい。
このコンサートに出演するボリショイのダンサー達は、
昼にリハーサルがあったためリハーサル後、
3時半にボリショイからバスで出発。
7時開演なので、時間はまあまああるのだが
このバスの運転手さん、超安全運転。
あらゆる車に抜かされて行く。
事故するよりは良いのだけれど、
それにしても今日中に着かないんじゃないかと思っちゃったよ。
そんなカタツムリの様な運転でも、何とか5時半に無事に到着。
リハーサルを開始する。
この会場、音楽会用なので音響は良いのだけれど
あまりバレエ向きとは言えない舞台。
照明器具も最低限のものしかない。
いや、実はあるのだろうけど、
それを操作する人がいない。
というか、操作できる人がいない。
というか、分かっている人がいない。
ちらっと見た限り照明の操作板はかなり近代的なものだった。
それにも関わらずリハーサル後半、
全然違うところで照明が変わってしまい
「違う明かりで~~す!」
と僕が叫ぶと
「こんなに長い間、押さえてられない~~!」
と言う返事が返って来た。
”押さえてられない?”
訳が分からないぞ。
理由を聞くと、
ボタンから指をはなすと照明が戻っちゃうらしい。
なんと、あの長い時間ボタンを押し続けていたそうだ。
「そんな訳はない。
プログラムに記憶をさせて操作するんじゃないかな~?」
と言ったが
「はなすと戻っちゃう」
の一点張り。
結局、本番でも指で押さえていたらしい。
そして、案の定途中で照明が変わっちゃった。
2幕の悲しいはずのオデットのバリエーションで
パッと明るい照明になっちゃったり、、、。
それでも、終演後はお客様の盛大な拍手を頂いた。
と、てんやわんやだったけど
お客さんも関係者も出演者も
皆、喜んでいた。
チャイコフスキーも喜んでくれたかな〜?
なんて思いながら帰路についたのでした。

