先日ロシアの大バレリーナ
オリガ・ワシリーエブナ・レペシンスカヤが死去した。
93歳の生涯。
ロシアバレエの象徴とされ数々の伝説を築き上げた彼女は、
皆から愛され尊敬されてた。
そしてロシアクラシックバレエの誇りだった。
僕は彼女の踊りはビデオでしか見たことは無いが、
それらは本当に素晴らしかった。
ドン・キホーテなど語り継がれているものは沢山あるが
特にワルプルギスの夜は大好きだった。
彼女は心のそこから芸術を愛していた人だった。
何年か前に国から表彰を受け、
プーチンに受賞されている所をテレビで放映していたのを見たとき
彼女はこう言っていた。
「石油やガスも良いですが、芸術も素晴らしいですよ。」
それはロシアが石油とガスによって急に経済的に豊かになってきた時期で、
物が豊富になりお金で価値が決まってしまう様な雰囲気に国が包まれていた時に、
芸術などの文化を大切にして下さいという意味があったように感じられた。
ただ、ありがとうと言うのではなく、
自分の利益や立場にこだわらず皆のために勇気を持って
小さなおばあさんが大統領に言ったのである。
彼女は僕らにとても優しかった。
明日、ボリショイでお葬式が行われる。
偉大なバレリーナ、そして素晴らしい人
オリガ・ワシリーエブナ・レペシンスカヤのご冥福をお祈りします。
岩田守弘